【暦の雑学事典】5章 季語と年中行事の雑学 > 神無月
神無月
【かんなづき・かみなづき】

旧暦一〇月の異称。『万葉集』に一〇月をカミナヅキ・カムナヅキと読ませる歌が数種ある。
この月は、八百の神々が出雲大社に集まり、神が不在となるためにカミナシ(神無)月といい、出雲地方ではカミアリ(神在)月というと、広く信じられている。しかし、これは俗説にすぎない。
ナは無ではなく、古語のナはノと通じるので、カミナヅキ=神ノ月とする説もあるが、神という言葉に由来するかどうかにも疑問がもたれている。カは上のカであり、年末に近いもう一つのミナヅキ(六月)という意味で、カミナヅキと呼ばれたとする説もある(折口信夫説)。
![]() | 日本実業出版社 (著:吉岡 安之) 「暦の雑学事典」 JLogosID : 5040172 |