【暦の雑学事典】5章 季語と年中行事の雑学 > 長月
曼珠沙華
【まんじゅしゃげ】

ヒガンバナの別名。毎年、ちょうど秋の彼岸頃、田のあぜ道や人家の周囲、墓地などに、燃えさかる炎のような花を咲かせる。花は一本の茎に輪状に開き、葉がない姿が怪しげにみえるためか、幽霊花とか死人花とも呼ばれる。葉は花が枯れ終わってから生えてくる。鱗茎は有毒アルカロイドを含むが、水にさらしてアルカロイドを抜き、食用にされた。人家近くに多いのは、かつて飢饉対策用に栽培されていたからともいわれる。
花色が白いシロバナヒガンバナもある。また、スイセンはヒガンバナ科の植物で、やはり鱗茎に有毒アルカロイドが含まれる。
![]() | 日本実業出版社 (著:吉岡 安之) 「暦の雑学事典」 JLogosID : 5040171 |