【暦の雑学事典】5章 季語と年中行事の雑学 > 五月
八十八夜
【はちじゅうはちや】

「八十八夜の別れ霜」の意味は?
立春から数えて八八日目。新暦では五月一~二日頃にあたる。二十四節気ではなく、節分、彼岸、入梅、二百十日などとともに雑節の一つである。
「夏も近づく八十八夜……」と唱歌にあるように茶摘みの最盛期である。しかし、この頃は山間部に季節はずれの遅霜(晩霜)が降り、茶や果樹などの農産物に壊滅的な打撃を与えることがある。そこで昔の農家は夜間が冷え込みそうな日は、ワラなどを燃やして霜害を防いだ。現在はリモートコントロールのファンによって空気を撹拌し、霜が降りるのを防止している。「八十八夜の別れ霜」というのは、この日を過ぎれば霜害の心配がなくなるという意味である。
![]() | 日本実業出版社 (著:吉岡 安之) 「暦の雑学事典」 JLogosID : 5040130 |