【暦の雑学事典】5章 季語と年中行事の雑学 > 五月
五月
【さつき】

旧暦五月の異称。サに皐の字をあてて皐月とも表わされる。花のサツキ(サツキツツジ)は旧暦五月に咲くことからの命名であり、月名の語源にはならない。
田植え時期であることから、サナエ(早苗)月やサオトメ(早乙女)月の略とする説が古くから主張されているが確証はない。サッと苗が伸びるからとか、苗をサ(挿)す月だからとか、夜が短いからサヨ(狭夜)月に由来するという説もある。「騒ぐ・荒ぶ」などにかかる「さばへなす」という枕詞がある。旧暦五月頃の蝿が騒がしいことを表わしたもので、五月蝿という漢字があてられる。そこで、古くはサそのものが、五月を意味する言葉だったともいわれる。
![]() | 日本実業出版社 (著:吉岡 安之) 「暦の雑学事典」 JLogosID : 5040129 |