【全国五つ星の手土産】中国 > 島根県
山川[風流堂]
【やまかわ】

茶の湯が育み職人の熱意で復活
不昧公好みの閑雅な銘菓
![山川[風流堂]](../img/d054/temiyage275.jpg)
松江の菓子は、不昧公すなわち松江藩七代藩主・松平治郷(1751~1818)を抜きには語れない。大茶人と称され松江に茶の湯文化を広めた不昧公はまた、茶菓子にもよく通じ、松江の和菓子興隆の源となった。数々の銘菓は、明治維新の際に一旦姿を消すが、それを明治中期以降、和菓子職人たちが努力の末になんとか蘇らせたのだという。
茶会で好まれた菓子の一つ、日本三大銘菓と称される山川を復活させたのが、明治23年(1890)創業の風流堂の二代目。薄紅色は紅葉を、白はせせらぎを表す紅白の落雁で、「散るは浮き散らぬは沈む紅葉ばの 影は高尾の山川の水」という不昧公の歌からの命名。上白糖に寒梅粉を用いて、しっとりして口どけがよいのが特徴。かすかな塩味が淡泊な味わいの中に広がりを感じさせ、抹茶を引き立てる。和三盆糖を用いた古代山川も好評。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「全国五つ星の手土産」 JLogosID : 14071874 |