【全国五つ星の手土産】東海 > 岐阜県
印譜らくがんとこがらす[武藤杏花園]
【いんぷらくがんとこがらす】

古人の落款と古寺の紋様を模した
シンプルながら味のある麦落雁
![印譜らくがんとこがらす[武藤杏花園]](../img/d054/temiyage187.jpg)
創業は明治3年(1870)。以来変わらず昔ながらの麦落雁を作り続けてきた、歴史ある飛騨高山の町並みにふさわしい、風情ある老舗である。落雁の種類は2つ。長方形の印譜らくがんと、小さな円形のこがらすだ。いずれも同じ素材で、表面は砂色でざらりとしている。かりっと歯を立てるとほろりと崩れ、口中いっぱいに焦がし麦の香ばしさが広がる。大麦と和三盆糖を原料に、炭火で乾燥させた素朴なものだが、表面の浮き彫り模様は繊細で美しい。
こがらすの名は、飛騨国分寺に伝わる平家の宝刀「小烏丸」に由来する。表面の模様は国分寺の古瓦と大銀杏を模したもの。他方、印譜らくがんは、飛騨高山に縁のある文人墨客の落款を浮き彫りにしている。鉄斎と応挙、雪舟と象山、白石と益軒というように、30人の落款が2つずつ組み合わされ、合計15種。添えられたしおりで確かめながらいただくのも楽しい。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「全国五つ星の手土産」 JLogosID : 14071786 |