【全国五つ星の手土産】東海 > 岐阜県
柿羊羹[槌谷]
【かきようかん】

美濃の高級干し柿の味わいを生かす
竹の素材力と伝統技法
![柿羊羹[槌谷]](../img/d054/temiyage184.jpg)
半分に割った竹に流し込まれた、透き通るような橙色の柿羊羹。見た目に美しく、果物の風味が存分に生かされたこの羊羹は、大垣の代表銘菓だ。天保9年(1838)にこの柿羊羹を創製したのが、御菓子つちやの名で知られる槌谷。創業は今から約250年前、宝暦5年(1755)に遡る。美濃国は大垣藩十万石の城下町で御用菓子司を務めるなど、代々重用されてきた老舗中の老舗である。
原材料は美濃特産の堂上蜂屋柿の干し柿。古来、米一升にも相当するとされ、年貢の代わりに納められたという貴重品だ。柿そのものは渋柿だが、干し柿にすると甘みや旨みが引き出され、それを潰して羊羹にすることで、えもいわれぬ芳醇な味が生まれる。明治に入って竹の研究家の示唆を受け、現在の形になった。同じく堂上蜂屋柿から作られる宝賀来(冬季限定)、のし柿、延寿柿なども、柿の風味が生きて美味。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「全国五つ星の手土産」 JLogosID : 14071783 |