【東京-五つ星の蕎麦】都内の名店88軒 > 港区
芝大門 更科布屋
【しばだいもん さらしなぬのや】

更科の伝統を守る

信州で反物商を営んでいた布屋萬吉が寛政3年(1791)に江戸に出て、現在の東日本橋2丁目あたりの隅田川べりにあった薬研堀に信州更科蕎麦処を創業したのが、この店の起源だという。店主の金子栄一さんは七代目を数え、今も江戸時代から続く一子相伝のそばつゆの味を守りぬいている。「うちのつゆは、ひと言でいうと濃厚な甘さのつゆです」と栄一さん。つゆはそばによくからみ、風味の邪魔をしないおだやかでまろやかな味に仕上がっている。
そば粉は摩擦熱で水分と香りが飛ばないよう、手挽き同様の1分間に12~14回転の速度に合わせた電動の石臼で挽く。そばは二八、十割、更科、月替わりの変わりそば2種類の常時5種類を用意。玄そばは全国各地から取り寄せる。そのため、新そばは9月上旬の北海道からはじまり、徐々に南下し4月上旬まで味わえる。毎月、変わりそばを楽しみに訪れる常連客も多いという。旬の味覚にそばを添えた会席膳(要予約)もある。
![]() | 東京書籍 (著:見田盛夫/選) 「東京-五つ星の蕎麦」 JLogosID : 14071265 |