【東京-五つ星の蕎麦】都内の名店88軒 > 港区
赤坂砂場
【あかさかすなば】

「室町砂場」の支店

赤坂通りの裏手、日大三校通りに面した和風情緒豊かなそば屋。かつて、このあたりは東京でも有数の花街だったところ。待合茶屋をはじめ置屋や料理屋、劇場などのほか、芸者屋の取り締まりをする検番もあったという。
店主の村松幸一さんの父・亀次郎さんと、「室町砂場」(42頁)の三代目にあたる村松茂さんは兄弟で、弟の亀次郎さんの息子に店をもたせたいと、昭和39年に室町砂場の支店として営業を始めたのが赤坂砂場だ。店舗は元置屋だった建物。外観にも店内にも、昔ながらの風情を残している。
メニューは本店とほぼ同じ。やはり、ここも室町砂場同様、元祖天ざるが看板だ。この天ざるを考案したのは、室町砂場で兄といっしょに働いていた昭和25~26年頃、調理場担当だった亀次郎さんだという。「暑い夏でも、よく売れたそうですよ」と、村松幸一さん。そば粉は北海道、茨城、福井などが中心だが、味が落ちる夏期にはタスマニア産も使う。
![]() | 東京書籍 (著:見田盛夫/選) 「東京-五つ星の蕎麦」 JLogosID : 14071264 |