【東京-五つ星の蕎麦】都内の名店88軒 > 台東区
上野藪蕎麦総本店
【うえのやぶそばそうほんてん】

老舗の味を守る

「かんだやぶそば」(58頁)が暖簾分けした第1号店で、創業は明治25年(1892)。昭和38年に木造から4階建てのビルに建て替えたが、今も老舗の味と伝統を守り続けている。
そばは北海道の江丹別で契約栽培し、国産ものの味が落ちる夏期にはタスマニア産の新そばを打つ。粉の挽き方、かつお節の削り方にも気を配り、食材は毎朝、四代目の鵜飼泰さんが築地へ出向き、自分の目で見て納得したものだけを仕入れてくる。
「そばは打ちたて、茹でたてがいちばんですから、うちでは開店前に6回ほど、その後は随時、一日に合計25回前後は打ちます」と、自らもそばを打ち、料理もつくる鵜飼さん。老舗の息子をおごらず、自ら人形町の和食処で3年、埼玉のやぶそばで1年修業したという。
せいろう、天ぷらなどそば屋定番のメニューのほか、春は初きの子そば、秋はまつたけそば、冬はカキ南ばんといった季節ごとのおすすめそばもある。きしめんも手打ち。
![]() | 東京書籍 (著:見田盛夫/選) 「東京-五つ星の蕎麦」 JLogosID : 14071241 |