【東京五つ星の肉料理】鳥肉料理 > 台東区
韻松亭
【いんしょうてい】

閑雅な店で名代の鳥料理を

上野公園開設後間もない明治8年(1875)に創業。同年築の店は「花の雲鐘は上野か浅草か」と詠まれた名鐘・時の鐘に隣接して建ち、その鐘の音が松に韻くさまから韻松亭と名づけられた。平成15年のリニューアル後も、カウンター席の天井に交差する創業時のままの太い梁、磨き込まれた板張りの階段や廊下、にじり口から出入りする侘びた茶室風の個室など、建物は今なお上品な落ち着きと古色にあふれて美しい。
大山地鶏もも肉の鳥すき焼はさっぱりと後口がよく、玉ねぎに自生クレソン、自家製生ゆばに道明寺麩(生麩)と、ざくにもさりげなく贅を凝らしている。仲居さんたちの居措はしゃっきりと芯が通っていて、見ているだけで気が晴れるようだ。
この建物でこの料理、この客あしらいのよさなのに、サービス料も席料も無料の心意気がうれしい。入口左手に、素材から手づくりする純和風の甘味処・韻松亭喫茶去を併設し、こちらでも韻松亭の料理の数々をいただける。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「東京五つ星の肉料理」 JLogosID : 14070856 |