新橋 やきとん まこちゃん本店
【しんばし やきとん まこちゃんほんてん】
新橋で知らぬ人なき人気店
サラリーマンの聖域・新橋の、飲み屋が軒を接する路地の一角、軒に大きな赤提灯をぶら下げて、夏ならまだ日も十分に高いうちから店を開く。串の素材は、当日仕入れるごく新鮮な国産豚。2軒の支店の分も合わせて3軒で一日に65~75㎏、串にして約1500本が、その日のうちに客の胃袋に消える。
備長炭をいけた焼き台には、総店長の田中道夫さんが立つ。焼き台には多くていっぺんに35本、これを塩、たれ手際よくさばきながら、1本3分ほどでささっと焼き上げる。大きな具を刺した串は、1本約45gとかなりヘビーだ。田中さんがいう。
「でかい具を軽めに焼くから見た目はレアだけど、備長炭だから火はちゃんと通ってる。やきとんはこの焼き方が一番だね」
さらっと甘辛いたれをからめたシロはこしがあって歯切れよく、タンやハツは噛んだ瞬間に肉・つゆ、塩がうっとりと混じり合う。なるほど田中さんのいうとおり。さすが新橋の客はわかっていて、毎日5時過ぎに店はいつも満杯になる。
| 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「東京五つ星の肉料理」 JLogosID : 14070836 |