【旬のうまい魚を知る本】 >
▼3種の漁法はどれもユニーク

岡山県日生(ひなせ)町の沖合に浮かぶ頭(かしら)島で、ナマコ漁師を取材したことがある。
「ナマコの漁期は10月から翌年の3月までだな。この島のナマコ漁法は3種類ある。石漕ぎという漁法では、磯の岩と岩のあいだに網を曳く。泥漕ぎはドロの海底を曳くからこの名があるんじゃろう。いわばナマコ用の小型底曳網で、石漕ぎよりも大型のナマコが獲れるな」
もう一つはイサリと呼ばれる漁法だ。主に岩礁地帯で小さな磯船を繰り、「カガミ」と呼ばれる箱眼鏡を使って海底をのぞき、長い細竹の柄のついた「カケジ」と称するカギでナマコを引っかけて獲る。イサリ漁専門の漁師が、潮が引いたときに船を出す。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070599 |