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旬のうまい魚を知る本 >

▼あふれ出る肉汁にぞっこん

奥さんの芳枝さんが、熱湯で殻ごとゆでてくれた。こいつのおいしさを知らなければ、目にしただけで遠慮したにちがいない。なにしろ亀の手そっくりなんですからね。芳枝さんに教えられたとおりに(これまで各地で何度も教えられているのに、すっかり忘れているのだ)、頭状部の殻を割り、肉柄の皮をむき、淡いピンク色の小さな身を吸い込むようにして味わった。これはどうだろう! 貝でもなく、カニでもなく、ましてや魚でもない美味。やわらかいのに、生意気に歯ごたえがあり、噛みしめると肉汁があふれる。外見には似つかわしくないすっきりした上品な味わいそれでいて磯の生物が持つ濃厚さも十分に持ち合わせているのだ。カメノテ料理にはほかに味噌汁吸い物が秀逸。




東京書籍 (著:東京書籍)
「旬のうまい魚を知る本」
JLogosID : 14070357


【辞典内Top3】 ▼赤・金・黒と、生息する場所によって体色が異なる  ▼鮮やかな赤色は血にヘモグロビンが含まれているため  ▼卵を抱えるメスの商品価値が高い  
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 東京書籍「旬のうまい魚を知る本」

出版社:東京書籍[link]
編集:東京書籍
価格:1,836
収録数:650匹
サイズ:18.6x13x2cm(四六判)
発売日:2002年8月
ISBN:978-4487797776

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