【旬のうまい魚を知る本】 >
▼宴会のシメはキビナゴ茶漬けで

上甑島ではもちろんキビナゴを刺身で食べる。「島の女はみんな器用に手開きするよ」と西薗さん。宿の主人兼漁師がすすめる一品はキビナゴ茶漬け。
「生のキビナゴを刺身と同じように開き、醤油ダレに1~2日漬け込んでおくんだ。人によっては醤油ダレに酒やみりん、砂糖を加える。温かいご飯の上に7、8尾のせて、熱いお茶をかける。ワサビともみノリを添えてもいい。宴会のあとはこれでシメないと、島の男たちは満足しないよ」
キビナゴは一度に大量に獲れる。食べきれない分を翌日、翌々日まで保存するために醤油漬けにした。茶漬けは冷蔵庫がなかった頃に始まった料理法にちがいない。島の人たちが伝統食を受け継いでいるのがうれしくて、島焼酎を一杯追加した。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070350 |