【旬のうまい魚を知る本】 >
▼目が潤んで見えるからウルメイワシ

細長く、胴体はマイワシに比べると丸っこい。輪切りにするとほぼ円形。大きい眼は脂肪膜におおわれ、目が潤んで見える。それでウルメイワシ(潤目鰯)の名がある。マイワシやカタクチイワシよりも水揚げ量が少なく、産地以外ではめったに店先やスーパーで鮮魚を見かけない。古くはウルメイワシを運搬する潤目船、ウルメイワシを売り歩く潤目売りといった言葉もあったようだから、かつては今以上に一般的な食材だったと推測できる。『徳川実記』にも「三浦の代官日野小左衛門正晴、斎藤喜六郎直房に命ぜられ、うるめ鰯をめして、御膳に供へられし事もありしとなり」とある。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070332 |