【旬のうまい魚を知る本】 >
▼寝るの好き(?)だから、ネウやシンジョの名もある

アイナメは地方名が愉快だ。北海道ではアブラコ、東北ではアブラメ、またはネウ。山形ではシンジョ、愛媛ではモミダネウシナイと呼ばれる。アブラコとアブラメは、身に脂がのっているからか、あるいは体表のヌメリが脂のように見えるからだろう。ネウは「寝魚」。アイナメが岩や石に腹を接触させて、ほとんど移動しないものぐさな魚だからだ。シンジョは「寝所」であろうから、同様の意味を持つ。愛媛のモミダネウシナイは、これをおかずにすると、種もみまで食べてしまうほど美味といいたかったのだろう。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070319 |