【旬のうまい魚を知る本】 >
▼浜のおかあさんの一品「その場の塩辛」

小木まで足を運び、浜のおかあさんたちから小木に伝わるスルメイカ料理をご馳走してもらったことがある。そのうちの「その場の塩辛」と呼ぶ一品が傑作だった。スルメイカの肝、みじん切りのタカノツメ、みりん、塩をすり鉢ですり、これを裏ごしして肝ダレを作り、冷蔵庫に保存しておく。食べる直前に刺身状に切ったスルメイカの上からこれをかける。まさにその場の塩辛。肝の放つ官能的な風味はまさに塩辛ではあるが、フレッシュな味は刺身である。
小木のスルメイカ漁は6月から12月まで。島根県から北海道までの日本海を漁場とする。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070118 |