【旬のうまい魚を知る本】 >
▼イカの足「ゲソ」は下足のこと

スルメイカの語源は、するめの多くがこの種類のイカで作られるためと思われる。もう一説あり、墨を吐く群れを意味する「スミムレ」からスルメに転じたともいわれる。魚偏に「たやすい」意味の易の字を加えたのは、容易にとれたからだろう。
スルメイカは地方によって呼び方が変わる。北海道ではマイカ、関西ではマツイカ、九州では二番イカの名前があり、アカイカと呼ぶ土地も少なくない。居酒屋などでは、するめを「あたりめ」と呼ぶ。するめの「する」がばくちの「擦る」に通じるため「あたり」としたとされる。もともとは博徒の隠語であった。古くから祝い事にするめを贈る習慣があり、これはイカは足(おあし=お金)が多いことに由来するそうだ。またイカの足をゲソと呼ぶのは、下足を略したもの。履き物を整理するのに10足(イカの足は10本)ずつまとめたからだ。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070114 |