【旬のうまい魚を知る本】 >
▼これは珍しい! アナゴの三平汁

給分浜のアナゴの食べ方は、まず生を開いて素焼きにして、これを甘醤油で煮る煮つけ。あるいはタレをぬりながら焼く漬け焼き。ここまではどうということはないが、「昔から鍋でも食べていたよ」と聞くとつい膝を乗り出したくなる。「生を開いて塩漬けにしておいて、野菜と一緒に煮る。塩蔵だから味付けは必要ない。これを三平汁と呼んでいて、このあたりの人の大好物だよ」。夏にとったアナゴを塩蔵して保存しておき、これを寒さの厳しい季節に取り出して鍋にしていたにちがいない。給分浜のアナゴ漁は6月から10月まで続き、盛夏が旬。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070077 |