【旬のうまい魚を知る本】 >
▼漁師のおかみさん流タコの刺身の作り方

平郡島の漁師のおかみさんたちによる、タコ刺しの作り方が愉快だった。1本ずつ切り離しても、マダコの足はなお生きている。その足の吸盤をまな板に吸い付かせてしっかりと固定し、そうしてから包丁で皮を切り取る。「こうすると生きているタコでも料理しやすいし、ぬめりを取る面倒もありません」。これぞ浜のおかあさんの知恵である。
平郡島のマダコ漁期は、4月20日~9月20日と11月1日~3月31日。漁獲の95パーセントは夏だという。マダコは季節によって味の差がないといわれるが、ここの漁師によると「夏ダコにくらべて、春ダコの身はやわらかく一段とうまい」らしい。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070056 |