【旬のうまい魚を知る本】 >
▼平均時速30キロのスピードで南方から大遠征

日本近海を回遊するカツオは、エサを求めてフィリピン海域を旅立ち、沖縄から九州南端沖を通り、例年通りだと3月下旬から4月に四国南方と紀伊半島沖、5月から6月に伊豆と房総沖、7月から8月に常磐と三陸沖まで突っ走る。これとは別に南方から伊豆・小笠原海溝沿いに北上して、伊豆諸島から三陸沖へ向かうグループもある。いずれも水温が下がり始める10月頃になると、三陸沖でUターンして南下する。これほどの大遠征を可能にしているのが、平均時速30キロというスピード。胸甲部のほかはウロコのない体が、水の抵抗を少なくして速く泳ぐことを可能にしているのだ。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070015 |