【旬のうまい魚を知る本】 >
▼一本釣り漁師好みのマヨネーズニンニク醤油の刺身だれ

枕崎の一本釣り漁師から聞いたカツオ料理は豪快そのものである。「船の上ではめんどうなことはしない」という彼らの大好物はカツオの刺身。たれが普通ではない。マヨネーズとすり下ろしニンニクと醤油を混ぜ合わせて作る。それをたっぷりとからめてほおばる。ぬた状のマヨネーズとニンニクがカツオの舌ざわりと味をぐっと引き立てるのだ。奇妙な取り合わせに半信半疑の人は、一度温かいご飯と一緒に食べてみてごらんなさい。漁師の知恵に感謝するとともに、一本釣り漁師の気分まで味わえるはず。残った刺身はおろしニンニクとおろしタマネギを加えた醤油だれに2、3時間漬け込み、これをご飯にのせて湯をかけ、漁師流カツオ茶漬けを楽しんでいただきたい。
カツオの目利きは案外簡単である。まず丸々と太ったカツオに目を付ける。次に胸から尾にかけて流れる測線を見る。線がぼやけていて幅が広いカツオは脂がのっていてうまい。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070017 |