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雑学大全2ヒトの不思議 > 人物

王富
【わんふー】

世界初の「宇宙飛行士」になるはずだった明の官吏

「地球は青かった」の名言で知られるガガーリンは、一九六一年、人類で初めて宇宙を飛行した人物である。しかし、彼が世界で最初に宇宙をめざした宇宙飛行士だったというわけではない。彼が宇宙へ飛び立つ以前にも、宇宙をめざした宇宙飛行士たちは存在した。そのなかの一人が明の時代の中国にいた。その名は王富。彼のロケットは火薬式だった。長さ一メートルほどの竹製の矢の矢じりに毒を塗り、それを数十本まとめて火薬とともに竹製や木製の円筒につめて一斉に発射して使う「火箭せん」と呼ばれる武器の一種を利用したロケットだった。用意されたのは四七基の火箭と二つの凧、そして竹製のイス。後ろに火箭をくくりつけたイスを二つの凧が引っ張り上げ、宇宙をめざした王富がそこに腰を掛けた。四七基の火箭の導火線に一気に火がつけられ、彼のロケットは発射……するはずだった。しかし、ロケットはけたたましい爆発音と、何も見えなくなるほどの煙とともに木っ端微塵になってしまったという。あわれ王富は宇宙に飛び立つことなく、地上で散ってしまったのだそうだ。一五〇〇年頃のことだった。王富自身は宇宙へ飛び立つことはできなかったものの、彼の名前は現在、月面のクレーターに残されている。一九七〇年、国際天文連合によって「Wan-Hoo」と命名された。月面の南緯九・八度、西経一三八・八度、直径五二キロのクレーターそれである。月の裏側にあたるため、残念ながら地球上から見ることはできない。




東京書籍 (著:東京雑学研究会)
「雑学大全2」
JLogosID : 14820984

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編集:東京雑学研究会
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ISBN:978-4487801305

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