緑一色
【りょくいっしょく】
「緑一色」「七対子」は、アメリカでつくられた役
麻雀は中国を起源としているが、日本はもちろん、世界中で親しまれているゲームだ。ところで、いくつもある麻雀の役のうち、「緑一色」と「七対子」は、もともと中国にはなく、アメリカで生まれたものだということはご存知だろうか。「緑一色」は、索子の「二」「三」「四」「六」「八」と「發」だけを使って和了ったときに成立する役満貫。これらの牌がすべて緑色ということで名づけられ、「オールグリーン」とも呼ばれる。「七対子」は、その名の通り、二枚一組の「対子」を七組そろえることで成立する。通常、麻雀の役は雀頭(対子)一組と、面子四組の計五組で構成されるが、その例外にあたるのが、この「七対子」と「国士無双」である。英語の麻雀用語は、中国語をそのまま踏襲していないものもあり、それだけに本場のものとは少々違ったニュアンスがあり、おもしろい。英語では「中」を「レッド・ドラゴン」、「發」を「グリーン・ドラゴン」、「白」を「ホワイト・ドラゴン」と、それぞれ「ドラゴン(龍)」をつけて呼ぶ。また、万子は「キャラクター(文字)」、筒子は「ドッツ(点)」、索子は「バンブー(竹)」といい、視覚的にいいあらわしている。役については、ほぼ本来の中国語の意訳をしており、「天和」は「ハンド・フロム・ヘブン」で「天から与えられた手」。「大ダイ三サン元ゲン」は「オール・ドラゴン」で「全部の龍」だ。麻雀の役は、時代によって取捨選択される。現在では、三五前後の役でゲームをするのが一般的である。時代の流れによって忘れ去られた役のなかには、なかなか味わい深いものもある。たまには、そんな中国の古役を取り入れてみるのも悪くないだろう。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820948 |