マラカス
【まらかす】
振るとシャカシャカと鳴るマラカスの中身は何?
カラオケで、自分が気持ちよく歌った後は他人の歌には知らんぷり、隣の席の人としゃべってばかり……というのでは失礼だ。そんなとき、ちゃんと聞いてますよ、ノッてますよと示すのに便利なのがマラカスだ。上司とのつき合いで演歌を聞かされるというのでは使いようがないが、仲間同士でダンスミュージックなどというときはピッタリで、シャカシャカとリズムをとるのは楽しいものだ。人間の考え出した最初の楽器は打楽器だといわれている。どこの国でも自分たちのリズムを取るために打楽器を考案している。マラカスも、中南米やアフリカで生まれたリズムを取る民俗楽器である。マラカスというのは、マラカの複数形で、マラカはヤシ科の植物のこと。そのマラカの木の実を乾燥させ、空洞になった中に小石や植物の硬い種子、小さな木の実などを入れて、振ると音が出るようにしたのがマラカスである。あの卵形は、マラカの実の外皮でつくっていた時代の名残で、いまはそれをかたどった木やプラスチック製になっている。なかに入れていた小石や種子は、いまはプラスチックや金属片が主流だ。木の実の外皮に硬い種子という組み合わせのマラカス本来の温かみある音から縁遠いものになっていそうだが、実際は人工素材のほうがいいのだそうだ。というのは、種子や木の実は長く使っていると、振ったときの振動で割れたり砕けたりして粒が小さくなる。するとシャカシャカと振ったときの音が変質したり、正確にリズムが刻めなくなったりする。プラスチックや金属片なら割れたり砕けたりもしないし、中身を替えて異なる音質にすることもできて一石二鳥なのである。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820846 |