まばたき
【まばたき】
一日にする回数は一万五〇〇〇回!
私たちが無意識のうちに繰り返している「まばたき」だが、その回数は一日で平均一万五〇〇〇回にものぼる。ところで、これだけの回数をするのに、まばたきで目を閉じている何も見えていない瞬間が、まったく気にならないのはなぜなのだろうか。実は、脳から「まばたきをする」という指令が出されるのと同時に、「目の反応を弱める」という指令が出されているからなのだそうだ。そのため、まばたきによって目を閉じ、目の前が暗くなっても気にならないというしくみだ。また、まばたきは、精神状態によってその回数に変化が生じることもわかっている。集中すればするほど、まばたきは少なくなるのだ。会話中に比べ、読書中のまばたきの回数は約三分の一になるという。そもそもなぜ、まばたきをする必要があるのだろうか。目の水分を保つために必要だと聞いたことがあるかもしれないが、そのためだけであれば、一分間に一、二回で十分だという。実はまばたきは、脳が一定量の情報を処理し終えたときにあらわれる。つまり脳がひと休みしていることをあらわしているのだそうだ。まばたきが少なくなる読書中、最も多くまばたきをするのはページの変わり目や文章の切れ目である句読点で、次のページや文章に進むために、脳がひと区切りつけるため、つまりひと休みするためにまばたくとされる。なぜ脳の動きがまぶたへ反映されるのかというと、読書や思考といった脳の活動の過程でつくり出された神経刺激が、まぶたを動かす神経へ伝わっているのではないかと考えられている。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820841 |