盆踊り
【ぼんおどり】
どうしてお盆に踊るのか?
いまではすっかり夏の風物詩になった盆踊り。七月の終わりから八月、ところによっては九月になっても、町内の夏祭りや学校単位の盆踊り大会で、浴衣を着て老若男女が踊っている。その名の通り、盆踊りはお盆の行事として私たち日本人の生活になじんでいるが、本来は仏教用語である。もともと、室町時代のはじめに、お盆に帰ってきた先祖の霊を慰めるために鐘や太鼓を叩いたことからはじまったといわれる。次第に念仏を唱えるのに合わせて踊るようになったことから、娯楽的な要素が少しずつ加わってきたようだ。お盆とは、盂蘭盆会の略称である。本来は陰暦の七月一五日におこなわれる祖先を祀る行事であり、終戦の頃までは三通りにもおこなわれていた。まず一つは陰暦通りの日付でおこなうやり方。次に太陽暦の八月一五日に月遅れでおこなうやり方。最後が太陽暦の七月一五日頃におこなってしまう方法だ。現在、盆休みといえば、八月一五日におこなう月遅れの供養をさすのが一般的だが、どうしてこうなっているかというと、農作業との関連がかなりあるらしい。もともと七月一五日あたりは農作業が忙しく休みは取れない。そのため、暑い盛りの八月中旬に休みをとる形でお盆休みが確立したのではないかというのである。都市部では、新盆などといって、七月一五日にいったん読経などのお参りを済ませておいて、八月中に故郷へ里帰りして墓参りという人も多い。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820820 |