番地
【ばんち】
番地をつけるための法律を、「住居表示法」という
○○丁目の一番地、二番地、三番地……と続いているが、いざ地図や住所を見ながら家などを探すときにふと思う。「一番地、二番地と並べられる順番に法則はあるのだろうか」と。たとえば、○○丁目七番地に行きたい場合、その一番地を見つけるとホッとする。しかし、「この通りをまっすぐ歩いていけばいいんだな」と思って歩いていくと、二番地、三番地と進んでいたのが、急に番地が飛んだり、別の町に変わったりすることがよくある。一気に道に迷ってしまった感じになるのだ。だが、調べてみると規則性はあるので、それを覚えてしまうと納得できる。番地は基本的には一番地から順番に蛇行してつけられているのだ。たとえば○○町という名称の土地に番地をつける場合、いちばん南の列の家を東から順番に西に向かってナンバリングしていき、西の端まできたら、すぐ北側の家に次の番号を着ける。今度は東に向かってナンバリングだ。町の敷地が広い場合や民家が入り組んでいる構造の場合などは、まず、いくつかのブロックに分けてから、そのブロックのなかで蛇行して番地がつけられている。こういう番地のつけ方は「住居表示法」という法律で定められている。ポイントは「蛇行している」ということで、地図も何もない場所で道に迷ってしまったときなど、まっすぐ歩いてしまわずに法則を見つけて蛇行するといい。一番地から二番地、二番地から三番地へ進んでまっすぐ歩いているときに、住居表示が急に別の町名や別の丁目に変わってしまったら、蛇行するように進路を変えて左右を探せば、必ず次の四番地を見つけることができるはずだ。ただし、何事にも例外というのはつきもので、銀座や神田神保町、神田小川町などは、この住居表示法に則っていないのでご注意を。銀座の場合は南東から西ではなく、北東から南西へと進んでいる。神田神保町や神田小川町の場合は、地域ごとの四角いブロックで分かれているのでなく、大きな通りを中心として、通りの一方に奇数番地を、もう一方に偶数番地をという整理の仕方がされている。戦後におこなわれた町名地番整理によるもので、欧米式の番地を真似たのだが、全国的には浸透しなかった。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820728 |