肌
【はだ】
「お肌は夜につくられる」とすれば、夜型生活の人の肌は?
化粧品の宣伝などで、「肌は夜につくられます」などといっているのを耳にするが、看護師やトラックやタクシーの運転士など、夜通し働いている人だっている。その人たちはみんなお肌が荒れているのだろうかと思ってしまうが、実際のところどうなのだろう。ある化粧品会社によれば、夜型であっても、その睡眠時間が規則正しいならば、肌の再生には問題がないという。もともと人の細胞分裂機能は、夜、眠っているときにピークを迎える。要は、人間の細胞は常につくられ、壊れているのだが、皮膚のなかでも最も細胞分裂が盛んなのが表皮である。再生機能が高いときにぐっすり就寝していれば、より美しい肌が再生されるというわけなのだ。その細胞分裂に深く関わるのが、ストレスホルモンであるコルチゾールと成長ホルモン。普通の生活サイクルでは、コルチゾールは朝がいちばん高く、日中から低下して夕方から夜にさらに低下する。夜中がいちばん低くなるので、その間に細胞分裂が盛んにおこなわれ、とくに眠った後、九〇分で訪れる深い眠りの一度目のサイクルのときに成長ホルモンといわれる肌にいいホルモンが出るのだ。このことから、ストレスホルモンが少なく、成長ホルモンの出る「夜」に肌がつくられるといわれるのだが、朝に寝て夕方起きる生活をする人にとっては、この両者の関係が朝寝た後に同じようにおこなわれるはずなので、基本的には問題がない。本当は「肌は眠っている間につくられる」のだ。ただ、いちばんお肌に悪いのは、眠りに入る時間が不規則なこと。寝る時間がバラバラでは、コルチゾールと成長ホルモンの分泌するリズムが崩れてしまうのである。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820703 |