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雑学大全2生物の不思議 > 昆虫

ノミのサーカス
【のみのさーかす】

ルイ一四世もヴェルサイユ宮殿で観覧した

ノミのサーカスがあるのをご存知だろうか。おもちゃの車を引いたり、紙でつくった円錐形のスカートをはいて、号令でぴょんぴょん飛び跳ねたりといった芸を見せるである。一七世紀頃のヨーロッパでは街頭で盛んにおこなわれ、ルイ一四世もヴェルサイユ宮殿に呼んで観覧したという。ノミは、体長の約二〇〇倍の距離をひと跳びできるという、とてつもないジャンプ力を持っている。三対の脚のうち、とくに発達した後脚の力によって、それだけのジャンプが可能なのである。羽はないから脚力だけのジャンプである。では、ノミはどうしてテーブル上のステージから逃げてしまわないのだろう。そのヒミツは簡単だ。まず捕らえたノミを透明なガラスの箱に入れて育てる。ノミは得意のジャンプで逃げようとするが、ガラスに当たって逃げることができない。そのまま数日間放置しておくと、狭い箱から出してもノミはみな、箱と同じ高さで飛ぶようになっているというのだ。一時期、横並びをよしとする日本の教育制度を揶揄して「ノミのサーカスようだ」といわれたこともあった。昆虫でさえ、環境に合わせ、本来の能力をセーブしてしまうのだから、人間ならなおさらというわけだ。ところで、ノミは病原菌を媒介することによって疫病を蔓延させ、人間社会を恐怖に陥れることがある。代表的なのが一四世紀のヨーロッパを襲ったペストの大流行であるペストに感染したネズミの血を吸ったノミが人間の血を吸い、一気に広がった。このときの大流行では、ヨーロッパの人口の三割が失われたという試算もなされている。ノミの仲間は世界に約二〇〇〇種いるとされ、ネコにはネコノミが、イヌにはイヌノミ、ヒトにはヒトノミが吸血するが、それ以外の動物を吸血しないわけではなく、ネコノミはヒトもイヌも刺す。室内でペットを飼うことが増えた日本では、ノミの被害が増加傾向にあるというから、愛犬家、愛猫家の方はご注意を。




東京書籍 (著:東京雑学研究会)
「雑学大全2」
JLogosID : 14820685

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出版社:東京書籍[link]
編集:東京雑学研究会
価格:2,160
収録数:1000
サイズ:25.6x18.4x3.6cm(B5判)
発売日:2004年8月
ISBN:978-4487801305

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