ネコの頭脳
【ねこのずのう】
本当はネコのほうがイヌより賢い?
いまや空前のペットブーム。グルーミングや洋服を着せるのはもちろん、動物用の幼稚園やホテルにエステまであるのだから驚いてしまう。犬は、「お座り」「お手」をはじめ、「待て」「伏せ」など人間のいうことを聞くようにしつけられる。訓練するときちんと覚えるイメージがあるので、犬のほうがどうしても賢く見える。実際に、スキルを持った盲導犬や災害救助犬、介助犬などが人のために働いてくれるのでますます好印象なペットである。対してネコはどうだろう。人間のいうことを聞いて芸などを仕込むには向いていないイメージがあるが、実はそれはイヌより頭が悪いからでは決してないという。むしろ賢さでいったらネコのほうが賢いのかもしれないという説もあるのだ。その根拠は「自己学習能力の高さ」。イヌは、確かにしつけられると相当の実力を発揮し、人々の役に立ってくれる。だが、もともと群れをつくって行動していた動物だけに、序列に基づいて行動することや、いわれたことに忠実に動くことは得意でも、人間が上手にしつけをしなければ、自分からお手をやったり伏せをしたりするということは絶対にない。ところが、ネコはもともと単独生活をする生き物だから、誰かの指示で行動する習性はまったくなく、しつけるのが難しい反面、自分でしようとすることに関する学習能力がとても高い。たとえば、「ドアノブのハンドルを下に押すとドアが開く」ということを人間の行動を観察して習得すると、自分からジャンプをしてドアノブに飛びつき、ドアを開けてしまうなどということが可能なのである。よく家の周りなどに、水入りペットボトルを並べている光景を見かける。どこかのテレビ番組で有名になったネコ除けの方法なのだが、ネコが水の反射に驚いて逃げていくのは数日だけのことらしい。何日かすると、反射があっても危害を加えられることはないとわかってしまい、ネコから無視されてしまうそうである。ネコは頭がいいのである。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820674 |