特別出演
【とくべつしゅつえん】
ドラマや映画の「特別出演」は、どこが特別か?
映画やテレビドラマのはじめやエンディングに流れるタイトルロールには、原作、脚本、監督をはじめとするスタッフやキャストと呼ぶ出演者の名が並ぶ。真っ先に出てくるのが主演俳優であることは誰にでもわかるが、それ以外のキャストについても、一人だけ表示されるか、あるいは何人かで一緒に表示されるかによって、役の重要さや役者の格がわかるようになっている。出演者は重要な役から順に並べるのが一応の原則だが、その他大勢が示された後に、主演ではないが、重要な役を演じた俳優や格上の俳優の名がラストにドンと表示されることもある。そして、そこには「特別出演」とただし書きがついている。さて、この特別出演は、いったいどこが特別なのだろう。特別出演とただし書きされるのは、ドラマの展開上、それほど重要な役ではないが、「格」の高い役者が演じたときだ。芸能界にはやはり「格」というものが生きているのである。大物俳優に出演依頼したら「その程度の役では……」といわれたときなど、「ただし書きをつけて特別扱いしますから」というエクスキューズにもなっているという。これと似ているのが「友情出演」で、俳優の格が考慮されているケース以外に、本当に主演俳優との友情から「出てよ」「出してよ」という関係での出演の場合も少なくないらしい。だから「特別出演」と「友情出演」という二本立てのテロップが使われることもあるようだ。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820613 |