手締め
【てじめ】
物事が一件落着したときに、みんなで手を打つのはなぜ?
「シャンシャンシャン」。日本では祝い事の席などの最後に、皆がそろって手を打つことが多い。日本ならではの風習だが、祭りや宴会、ときには株主総会といった具合に、公私を問わず、いろいろなセレモニーの後におこなわれる。「手を打つ」という行為は、おそらく神社で神様に捧げる拍手に由来するのだろうといわれている。神との契約のしるし、神への感謝の気持ちを表現する「拍手を打つ」という行為が、日常生活のなかに取り入れられ、物事のけじめとして扱われることになったもののようである。拍手を打つところから、かつては「手打ち」といわれていたが、「手打ち」は「手討ち」につながるとして、江戸時代のころから「手締め」と呼ばれるようになった。以来、「一本締め」「三本締め」といった手の打ち合わせ方が定着していった。最も一般的な三本締めは、「三・三・三・一」というリズムの拍手を三回繰り返す。一本締めはそれを一回でおしまいにするものをいう。手締めの最初に、音おん頭どをとる人が「お手を拝借」と告げ、「いよーっ!」というのは、ただのかけ声ではなく、「祝おう!」がなまったものだという。ちなみに、手を一回だけ「シャン」と打って終わりにするのは「一丁締め」と呼ぶ。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820578 |