チャイム
【ちゃいむ】
小中学校で鳴らされるチャイムのメロディは、ビッグ・ベンと同じ
いまも昔も変わらない「キーン・コーン・カーン・コーン」という学校のチャイム。このメロディは、ロンドンにある有名な時計塔「ビッグ・ベン」と同じ鐘の音である。この時計塔、ロンドンの中心街に位置するイギリス議会の議事堂のそばに建ち、人々に時刻を知らせ続けている由緒正しい歴史的建造物である。ウェストミンスター宮殿に付属していることから、時計塔の鐘の音は「ウェストミンスターの鐘」とも呼ばれている。だが、どうしてこの音が日本の学校のチャイムに採用されたのだろうか。採用されたのは戦後になってからである。とある中学校の教諭が、始業・終業の時刻を知らせるベルの音が「ジリリリリリリーッ」と、あまりにうるさいことから、それに代わるものはないかと考えていた。そんなとき、友人が戦時中に臨時ニュースで使われていたものをヒントに、鐘の音にしてはどうだろうと提案した。そこで、「ウェストミンスターの鐘の音」が選ばれたというわけだ。鐘の音のチャイムは、教育委員会や政府が決めたのではなく、一人の教員のアイデアからはじまったというわけなのだ。その後、次第に全国に広まっていき、現在でも変わることなく使われ続けているのだから、あの「キーン・コーン・カーン・コーン」という音は、よほど日本人の感性にあっていたのだろう。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820548 |