担保
【たんぽ】
イタリアには、チーズを担保にお金を借りられる銀行がある!?
ゆでたてのパスタにふりかけて、グラタンやドリアにかけて焼いて香ばしく……。イタリア、パルマが原産地のパルミジャーノ・レッジャーノ(パルメザンチーズ)は、いわば日本人にとっての鰹節みたいなものだ。日本の家庭では、粉末状にしたタイプが重宝されているが、本来は硬質のチーズで、すりおろしたり、削ったりして使う。つくるのに手間がかかるのも上等の鰹節の枯れ節同様で、一八カ月から三六カ月かけて熟成させなければならない。チーズ製造業者は、熟成を待つ間、一銭も、いや一ユーロの収入がないことになる。しかし、収入がなければ、次のチーズを仕込むためのミルクを買うことさえできない。そのため、パルマの銀行には、仕込んだチーズを担保に融資するシステムが整えられている。銀行は、担保として預かったチーズを、金庫ならぬ熟成庫に保管し、専門家も雇って管理にあたらせる。もちろん担保にしたチーズが、将来いくらで売れるかという見込みをたてるために、品質をチェックする係もいて、そのチェック係の判断によって融資額も決まるのだという。業者は、預けたチーズが売れたとき、その代金で借金を返すわけだから、チェック係には品質を見抜く厳しい目が要求されることになる。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820538 |