寿司
【すし】
江戸時代は高級料理ではなく、ファストフード
日本料理の代表といえば、寿司に天ぷらにおそば……。なかでも絶対に外せないのは寿司だろう。最近では回転寿司の店舗が増え、庶民も気軽に寿司を楽しめるようになったが、カウンターで食べる寿司屋の敷居はやはりまだ高い。しかし、本来の江戸時代の寿司は、町民が気軽に立ち食いすることのできる庶民の食べ物だったのだ。そのため、江戸前寿司は当時「早ずし」とも呼ばれていた。つまり、いまでいうファストフードであり、公衆衛生法や交通法などの理由でなくなるまでは、屋台の寿司屋が軒を連ねていたのである。現在では様々な種類のファストフード店があちこちでにぎわっているが、日本でいちばんはじめに登場したファストフード店は、意外にも江戸時代の「早ずし」屋だったのかもしれない。ところで、そんな江戸時代の屋台の寿司屋では、店主が一人で店を切り盛りするのがほとんどだった。店が混んで忙しくなれば、お客さんにお茶を入れる暇さえない。そこで何度もお茶を入れなくてすむようにと、あの寿司屋特有の大きな湯のみが考案されたといわれる。なるほど、寿司屋の湯のみはいまでも大きい。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820466 |