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雑学大全2地理 > 場所

水族館
【すいぞくかん】

あれだけの水を、いったいどこから運んでいるのか?

昔と違って、水族館もおしゃれなデートスポットとなった。迫力ある大型水槽や円形水槽なども、いまでは当たり前になっている。海に囲まれた日本は、世界でもいちばん水族館が多いといわれていて、世界一大きいドーナツ型の回遊水槽もあるようだところで、あの大きな水槽に入れる水は、かなりの量になるが、いったいどこから運んでくるのだろう。海に囲まれている日本なのだから、いちばん近い海から汲んでくるのだろうと思いがちだが、実は全部が全部そうではない。たとえば、品川アクアスタジアムの場合、すぐ目の前に東京湾岸が広がっているものの、その海からは水を汲んでいない。わざわざ八丈島付近の海水を運んできているのだ。つまり、東京湾の海水では水質が悪く、魚を見ることが目的の水族館に必要な海水の透明度が十分確保できないのだ。そのため、遠くの八丈島まで美しい海水を取りに行っているというわけである。海水はトレーラーなどで運ばれる場合が多く、東京都江戸川区にある葛西臨海水族館では、海運会社と契約し、八丈島で荷物を降ろした貨物船が船を安定させるために帰路に積む「バラスト水」も利用しているという。船が東京湾に着くと、そこからトレーラーに載せて運ばれてくることになっている。一カ月に運ぶ水の量は約三〇〇〇トンだそうだ。輸送費などを含めて年間で約一億五〇〇〇万円が費用としてかかっているという。また、もう一つの方法としては、人工海水を利用している水族館もある。内陸部の栃木県なかがわ水遊園では、海水と同じ成分を調合してつくる海水パウダーを地元の井戸水に溶かして使っている。メリットとしては、コストが低いのと、水に病原菌が混じる危険性が低いということがあるそうだ。もちろん、美しい海の沿岸にある水族館では、近くの海から引いている例がたくさんある。水族館を建てるときに、海に向かって取水路を敷き、潮の満干を利用して海水を引き込むのだ。神奈川県の新江ノ島水族館では、一日で約一〇〇〇トンの海水を取り入れているという。




東京書籍 (著:東京雑学研究会)
「雑学大全2」
JLogosID : 14820459

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出版社:東京書籍[link]
編集:東京雑学研究会
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収録数:1000
サイズ:25.6x18.4x3.6cm(B5判)
発売日:2004年8月
ISBN:978-4487801305

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