【雑学大全2】 >
彗星
【すいせい】

彗星はだんだん小さくなるが、なくなることはあまりない
彗星は、氷と塵でできている、たとえるとすれば泥の入った雪だるまのようなものである。そして、この塊が地球などの惑星と同じように周期的に太陽の周りを回っているのだ。望遠鏡で地球から眺めていると、ずっと尾を引いて流れていくように見えるが、あの尾の正体は、彗星が太陽に近づいて蒸発たときに出る水蒸気や二酸化炭素、メタンなどのガスとチリである。つまり彗星は、太陽に近づいていくときだけ温度が上がって蒸発し、ガスを発生することで尾を引いたように見えるのだ。太陽から遠いときは、核の部分は完全に凍っている。それでは彗星は、太陽に近づくたびにどんどん蒸発していって、いずれはなくなってしまうのだろうか。もちろんそういうものもあるが、たとえば誰でも知っているハレー彗星の場合は、七六年周期のうち、太陽の近くにいるのは一年ほどである。その間に小さくなっていく分を計算しても、試算では、太陽にあと五〇〇回以上近づかないと消滅しないそうだ。それは約四万年も先のことである。消滅した彗星として確認されているものは少ない。たとえば一八五二年を最後に観察されなくなったビエラ彗星は、最後に二つに割れた後、粉々に砕けて流星群になったといわれる。消滅の仕方にも諸説があって、爆発するように雲散霧消するという説と、蒸発しない部分が塊になって硬い殻ができるという説、コールタールのようなドロッとした部分が残るといった説がある。
![]() | 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820458 |