昭和基地
【しょうわきち】
かつてはあった「昭和基地の郵便番号」
昭和基地は南極圏内の東オングル島にあり、現在でも観測隊によって天体、気象、地球科学、生物学の観測がおこなわれている。施設は三階建ての管理棟のほか、居住棟、発電棟、汚水処理棟など計五三の棟から成り立っている。また貯水用の荒金ダムもある。管理棟内には、医務室、厨房、食堂、通信室、公衆電話、図書室、娯楽室がある。医務室は手術ができる設備があることで有名だが、実際は非常用で手術例はほとんどない。悪天候のときは使用しない特殊な棟(放球棟など)を除き、各棟はわたり廊下でつながっている。これは、他国の南極地で三メートル離れた別棟のトイレに向かった隊員が悪天候で遭難死したという事故を教訓にしたものである。ところで、この昭和基地には郵便局もある。日本国内と同額で手紙やハガキを届けることができるのだ。さらに、かつてはこの郵便局にも郵便番号があった。それはまだ七桁になる前の話で、「一〇〇?七〇」というれっきとした専用番号だったが、残念ながら現在はとくに定められてはいない。基地と日本との間は、年に一度航行する南極観測船「しらせ」が手紙を運ぶのだが、その「しらせ」内にも郵便局がある。ただし、年に一往復しかしないため、消印の押印依頼ができるのは「しらせ」が出航する直前(年に一度)だけである。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820426 |