ショートケーキ
【しょーとけーき】
「ショート」って何?
「ショートケーキ」に対して「ロングケーキ」というものがあるわけでもないし、何かが短かったりするわけでもない。ショートケーキの「ショート」とは、いったい何のことなのだろう。実はこの「ショート」は、「短い」という意味ではなくて、本来は「サクサクした」という意味である。だからアメリカで「ショート・ケイクス」と注文すると、たいていはクッキーやビスコッティなどサクサクした焼き菓子が出てくる。英語の辞書で調べればわかるが、「short」には「短い」のほかに「サクサクした」「ボロボロする」「もろい」という意味がある。これを動詞にすると「shorten」で、「もろくする」という意味だ。さらに「shortening」とすると、これは日本語でもよく使う「ショートニング」、つまりお菓子などにサクサクした食感を出すために使われる食用油脂のことになる。ショートニングは、植物あるいは動物性油脂から水分を抜いて純度を高くした油脂のことで、これを生地に練りこんでおくと、軽くふわっとした仕上がりになるため焼き菓子づくりには欠かせないアイテムなのである。つまり、「ショートケーキ」は、本来は「ショートニングを使ったサクサクしたケーキ」ということなのだ。では、なぜ日本では、やわらかいスポンジの上にクリームを塗ったものがショートケーキと呼ばれるのか。これは、一九二二(大正一一)年、あの不二家が日本人向けにやわらかく改良した「ショートケーキ」を日本で初めて売り出し、その後そのスタイルが広まったからだといわれている。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820427 |