ゴルフ
【ごるふ】
一ラウンド=一八ホールとウイスキーの深い関係
ゴルフの一ラウンドは一八ホールというのは当たり前と思っているが、一〇でもないし二〇でもない、とくに切りのいい数字ではないのはなぜだろうか。一ラウンドが一八ホールというのは、いまから一五〇年ほど前の一八五八年、全英オープンなどで知られるゴルフクラブの総本山「R&A(ロイヤル・アンド・エンシェント・ゴルフクラブ・オブ・セント・アンドリュース)」の会議で決定した。その理由が、ウイスキーを飲むことにこだわった長老の意見で決まったというから驚きだ。会議では、ホール数がなかなか決まらず、意見が分かれて結論が出そうにもなかった。そこである長老の会員が、いきなりこう切り出したという。「ホールを回るときには、気付け薬がわりにウイスキーを飲む。私は一ホールごとにウイスキーをグラス一杯飲むことにしている。グラス一杯のウイスキーを一八杯飲むと、ウイスキーのボトルが空になるから、一八ホールがちょうどいいだろう」。この意見に、ほかのクラブ会員たちが押し切られたのだという。こんな変わった理由がまかり通ってしまったのだから、よほどの名案だったのだろう。しかし、ゴルフ一ラウンドの間にボトル一本は多すぎるし、紳士のスポーツには似つかわしくないと日本人の私たちは思うかもしれないが、ゴルフ発祥の地スコットランドはスコッチウイスキーで有名な地方である。しかも風の強いスコットランドでは、体を温めるためにウイスキーを飲みながらプレーするのは、ごく当然のことだったのである。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820330 |