クモ②
【くも】
なぜクモ自身は自分で張った巣に引っかからないのか?
クモは粘着性の糸を張りめぐらせて獲物を捕まえる。クモの巣を手で触ったことのある人ならすぐにわかるが、あのネバネバした糸の粘着力は強く、手から取り除こうとしても、なかなか取れない。一度クモの巣にひっかかった昆虫が、どうあがいても脱出できないのもうなずける。さて、クモ自身が、あの威力のある糸に足がからまって身動きがとれなくなることはあるのだろうか。確かに、たいていのクモは巣の中央でじっと待っているから、そのときひっかからないのはわかる。しかし、ひっかかった獲物を捕らえるためには、クモ自身が巣のなかを移動しなければならないはずだ。実は、一般的な円形のクモの巣では、全体があのようにネバネバしているわけではない。中央から外へ向かって放射状にのびている縦糸はネバネバしていないのである。ネバネバしているのは、縦糸にからめてぐるぐると円を描くように張ってある横糸なのだ。だからクモは、上手に縦糸の上を移動して、糸にからまらないようにしているというわけだ。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820254 |