黄身
【きみ】
生卵の黄身にくっついている白い物体は何?
生卵を割って黄身(卵黄)をよく見てみると、なにやら白いゴミのような物体がくっついていることに気づく。この物体、実は「カラザ(卵帯)」という名前で、決してゴミではない。本来ヒヨコになるはずの黄身(胚)にとっては、重要な役割をしているのである。カラザは黄身の両端と殻の内側をつないでいて、よく見るとバネのような形をしている。これによって、黄身は卵が動いても殻の内側にぶつからずに、卵の中心にやさしく保たれているのだ。卵の中心にあれば、外側を白身(卵白)に守られ、細菌の侵入を防ぐことができるというわけだ。生卵を保存するときは、尖った側を下にしたほうがよいとよくいわれる。これは、丸い側よりも尖った側のほうが殻の強度が強いことに加え、そのほうが黄身が安定して、殻の内側に触れにくく、細菌が繁殖しにくいことなどが理由として挙げられるが、どの方向で保存しても大差はないという実験結果もあり、注意が必要だ。ちなみに、生卵を食べるときにカラザを取り除く必要はない。カラザには栄養分があり、成分の一つであるシアル酸には、抗ガン作用も期待されているという。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820220 |