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雑学大全2ヒトの不思議 > 人体

遺伝
【いでん】

「息子は母親似、娘は父親似」は、どこまで真実味があるのか?

子どもが生まれると真っ先飛び出す質問が、「どっちに似ているの?」である。実際に赤ちゃん目の前にしても、鼻が母親に似ているとか、二重は父親似だなどと話したりする。人類は本来、視覚的な動物であり、一目見ただけで、似ている・似ていないの選別をする能力があるといわれているので、この話で盛り上がるのもうなずけるが、遺伝的な要素から見ると、実際のところはどうなのだろう。よく「息子は母親に似て、娘は父親に似る」などといわれるが、これには遺伝的な根拠もあるらしい。人類の男性の性染色体はXY、女性はXXである。その子どもも、もちろんそれらの組み合わせで男か女かが決まる。つまり、父親のXYからXを、母親のXXからどちらか一つのXを受け継げばXXの女の子になり、父親のYと母親のXを受け継げばXYの男の子になる。従って男の子は、四つのうちで一つしかない父親のY染色体を必ず持っている。と同時に母親のX染色体を一つ必ず引き継いでいる。この染色体のXとYには極端な情報量の違いがあって、Yを一だとすると、Xは一〇〇。そのため、圧倒的にXの影響が大きいことになるのだ。このことから、遺伝子的に、男の子は母親から多大なる影響を受けているということになる。一方、女の子の場合は、母親のX染色体どちらか一つと、父親の一つしかないX染色体を引き継いでいることになる。母親と父親から同じXを一つずつなので、父親と母親に似る確率も二分の一で同じか、というとそうではない。母親の場合、自身がXを二つ持っているため、実際の見かけに影響するXは二つのうちのどちらかということになる。これに反して、父親の場合、Xを一つしか持っていないので、Xが必ず父親の見かけに影響している。そのため、両方から一つずつ取った場合でも、女の子の場合は父親に似る確率が高いというわけだ。




東京書籍 (著:東京雑学研究会)
「雑学大全2」
JLogosID : 14820049

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編集:東京雑学研究会
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発売日:2004年8月
ISBN:978-4487801305

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