バベルの塔
【東京雑学研究会編】
§バベルの塔には実在のモデルがあった!
『旧約聖書』に出てくる「バベルの塔」は、神にも届かんばかりの高い塔であった。人々が神に近づこうと、とても高い塔を建設し始めたのである。しかし、神はそれを怒り、人々の言葉を通じなくさせ、各地にばらばらに散らばらせて、町をつぶしてしまったというお話である。
神話とも伝説ともいえるお話だが、実はこのバベルの塔には実在のモデルがあったのである。
一九世紀、ドイツの建築家コルデヴァイはイラクのバビロンで、塔の遺跡を発掘した。ここはメソポタミア文明の地である。メソポタミアには、塔頂に神殿を持つ聖塔が建てられる慣習があり、これをジッグラト(神殿塔)と呼んでいたそうだ。
ジッグラトがなぜ作られたかについては、諸説ある。一つはシュメール人の元の居住地にあった山をシンボル化しているのだという説、天体を観測する塔だったという説、ピラミッドの影響で建てられた王の墓だとする説、神をそこに祀ったとする説、神を降臨させる場所だったとする説などである。
そして、そこからバベルの塔という話も生まれたわけである。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670777 |