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タヌキ
【東京雑学研究会編】

§タヌキの金玉は本当に八畳敷なのか?
昔から日本人にはお馴染みのタヌキ。「タヌキの金玉は八畳敷」などといわれて、置物のタヌキのイチモツは驚くほど大きく作られている。
しかし、実際は全く違う。タヌキの睾丸はそんな大きなものではない。陰嚢を広げてみても、たいした大きさにはならないのである。それが八畳とは、いかに日本語がオーバーな表現をするといってもオーバー過ぎやしないだろうか。
この言い伝えのもとになったのは江戸時代のことである。当時、金細工をほどこす職人は、金箔を広げるときに、タヌキの皮を敷いていたという。また、表具屋が金粉を漉くときに、刷毛にタヌキの陰毛を使っていたらしい。それを使うと、1匁(三・七五グラム)の金が大きく広がったという説もある。
八畳敷はもちろんオーバーな表現なのだが、タヌキの皮や陰毛はそういう用途で使われていたのだろう。その話がさまざまな昔話に転化していって、タヌキ巨根説が一人歩きしていったのである。
![]() | 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670583 |