自由の女神像①
【東京雑学研究会編】
§自由の女神像はニューヨークにはない?
アメリカ合衆国のニューヨーク港内にあるリバティ島の女神像は、右手にたいまつを高々とかかげ、左手に一七七六年七月四日と記された独立宣言書を抱えて立っている。「自由の女神」(the Statue of Liberty)としておなじみのこの像は、アメリカ独立百年祭を祝って、フランスから寄贈されたものだ。正式名称は「世界を照らす自由」(Liberty Enlightening the World)。フランスから寄贈された当時は、そう呼ばれていた。アメリカ民主主義を象徴する像として、国内外から多くの人々をひきつけている。
像の高さは、四六メートル、台座を入れると九三メートルあり、女神像の頭の部分にある展望台からは、ニューヨーク湾とマンハッタンのパノラマが一望できる。ニューヨークを訪れる人なら、一度は眺めてみたいと思う景色であろう。
この像は、最初、一八七八年のパリ万博で公開された。その後、この二五〇トンの像を、二一四個のパーツにわけて大西洋を船で運び、一八八六年、ついにリバティ島に到着した。台座はアメリカ側の募金をもとに、リチャード・モリス・ハントが設計した。まさに、米仏合作の自由の女神像となったのである。
ところで、この自由の女神像、確かにニューヨーク港内のリバティ島にあるが、実は、この島はニューヨーク市でもニューヨーク州でもなく、ニューヨーク湾を挟んで対岸のニュージャージー州に属する島なのである。というわけで、ニューヨークと切っても切り離せない自由の女神は、ニュージャージー州「在住」の女神だったのである。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670458 |