キャベツ
【東京雑学研究会編】
§キャベツには薬のような効果がある?
体の調子を整える、数多くの薬効のある野菜が、キャベツである。ビタミンCや食物繊維が多いことは、すでによく知られているが、もっと多くの成分が、キャベツの薬効の素になっている。
キャベツが消化を助けることは、すでにおなじみであろう。その名も「キャベジン」という薬があるように、キャベツに含まれるミネラルの塩素と硫黄、そしてビタミンUは、消化を助けて腸の働きを活発にし、さらには胃腸を浄化する。
トンカツのつけ合わせには、山盛りの千切りキャベツが定番である。こってりした揚げ物に、さっぱりしたキャベツは、味の相性もいいし、食べた後の胃もたれや胸やけを防ぐ。
また、キャベツには、血液凝固作用のあるビタミンKも含まれている。そのため、潰瘍などのただれや皮膚の傷、火傷にも効果がある。
さらに、キャベツには解熱効果もある。これがどんな成分によるものかはわかっていないが、熱をさましたい部分に、キャベツの葉をもんで当てておくと、やがて葉が熱を吸収してしんなりしてくる。何度か取り替えてやると、さらにいい。
キャベツの原産地はヨーロッパで、日本に伝えられたのは、幕末から明治にかけてのことである。ヨーロッパには、「貧乏人にとって、キャベツは医者」という格言があるほどで、古くから庶民の間でも頼りにされていた。
ビタミンUは外側の緑の濃い部分に多く、ビタミンCは芯に多いので、丸ごと利用するといい。新鮮なものは、巻きがしまってずっしりと重く、葉につやがある。下の切り口は、割れや変色がなく、乾燥していないものが新しい。
生のままでサラダにしてもいいが、最も薬効を実感できるのは、ジューサーにかけるか、清潔なふきんで包んで絞り、ジュースにして飲んだ場合であろう。青臭いのが苦手なら、トマトやオレンジのジュースと混ぜると、口当たりがよくなる。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670248 |