ベース基礎知識 ブランデー
"果実を主原料とする蒸留酒の総称だが、単に「ブランデー」と言う場合はワインの蒸留酒を指し、オランダ語で“焼いたワイン”を意味する「ブランデヴェイン(Brandewijn)」が語源とされる。起源は不明だが、12~13世紀頃のヨーロッパで医師や錬金術師がワインを蒸留していたという記録があるそうだ。世界中で生産されているが、フランス産のコニャックが最も名高い。ワイン蒸留酒以外のフルーツブランデーもカクテルにはよく使われる。
コニャック
フランス南西部コニャック地方の法定地域内で栽培される白ブドウ、サンテミリオン種を原料として造られる。アルマニャックも同様だが、フランスではブランデーの品質を守るため、生産地、ブドウの品種、蒸留法などを法律で細かく規定しており、条件に合った製品のみがコニャックまたはアルマニャックを冠することが許される。代表的な銘柄は、レミー・マルタン、カミュ、ヘネシーなど。熟成年数によってV.O、V.S.O、V.S.O.P、X.O、エクストラ、ナポレオンなどと表記される。
アルマニャック
フランス南部アルマニャック地方の法定地域内で生産される。ブドウはサン・テミリオン種、フォル・ブランシュ種などを原料とし、コニャックよりもフレッシュな飲み口で香りが強いとされる。代表的な銘柄はシャボーなどだが、日本ではコニャックの人気が高く、アルマニャックはあまり見かけない。
アップルブランデー
リンゴ酒(シードル)を蒸留して造るブランデー。代表的な銘柄はカルヴァドスだが、「カルヴァドス」を冠することができるのはフランス・ノルマンディー地方で造られたもののみである。アメリカ産のアップルジャックもよく知られている。
その他
ブドウの絞りかすを発酵させたアルコールを蒸留して造る、イタリア産のグラッパ、フランス産のマールなどもブランデーである。その他、フルーツから造った蒸留酒もブランデーの仲間で、フランスでは「オー・ド・ヴィー・ド・フリュイ」と総称されている。
"
| 東京書籍 (著:上田 和男) 「カクテル手帳」 JLogosID : 8538918 |